60代・70代から始める英語学習|認知症予防と脳の若返りに効果的な理由
高齢者の英語学習は認知症予防に効果的。最新の研究で証明されたバイリンガルの脳への効果、シニアにおすすめの学習法、始め方を分かりやすく解説。60歳からでも遅くない!
「この年齢から英語を始めても意味があるの?」
そう思っている60代・70代の方に、ぜひ知っていただきたい事実があります。
英語学習は、認知症予防に最も効果的な脳トレの一つだということです。
この記事では、最新の研究結果をもとに、なぜ高齢者の英語学習が脳に良いのかを分かりやすく解説します。
英語学習が認知症予防になる科学的根拠
バイリンガルは認知症の発症が4〜5年遅れる
カナダ・トロント大学の研究チームが253人のアルツハイマー患者を調査したところ、驚くべき結果が明らかになりました。
2つの言語を話せる人は、1つの言語しか話せない人と比べて、認知症の症状が平均4〜5年遅く現れるということです。
この研究結果は、カナダ、インド、台湾など世界各国の研究でも繰り返し確認されています。
研究で分かったこと
- バイリンガルの認知症発症は4.3年遅い
- 症状の自覚は5.1年遅い
- この効果は学歴や職業に関係なく確認された
- 高齢から学習を始めても効果がある
なぜ外国語学習が脳に良いのか
外国語を学ぶとき、脳は非常に複雑な作業を行っています。
日本語と英語では、文法も語順も発音も全く違います。この「違い」を処理するために、脳は常にフル稼働することになるのです。
具体的には、以下のような認知機能が鍛えられます:
- 注意力:どの言語を使うか選択する
- 記憶力:新しい単語や文法を覚える
- 実行機能:複数の情報を同時に処理する
- 抑制機能:不要な情報を排除する
これらは、認知症で最初に衰える機能とも重なっています。つまり、英語学習は認知症で弱くなる部分を直接鍛えているということです。
「認知予備能」という考え方
脳には「認知予備能(cognitive reserve)」という、ダメージに対する耐性があります。
たとえ脳に認知症の原因となる変化が起きても、認知予備能が高ければ症状として現れにくくなります。
外国語学習は、この認知予備能を高める最も効果的な方法の一つなのです。
2025年最新の研究結果
8万6000人の大規模調査
2025年に発表されたヨーロッパの大規模調査では、8万6000人以上を対象に言語学習と老化の関係を調べました。
結果は驚くべきものでした。
複数の言語を話す人は、1つの言語しか話さない人と比べて、健康的な老化を示す可能性が2倍以上高いということが分かったのです。
しかも、話せる言語が多いほど、その効果は高くなることも確認されました。
最新研究のポイント
- 2倍以上:多言語話者は健康的な老化の可能性が高い
- 累積効果:話せる言語が多いほど効果が高まる
- 生物学的な若さ:脳だけでなく、体全体の老化も遅くなる可能性
短期間の学習でも効果あり
「今さら流暢に話せるようにはならないから意味がない」
そう思う方もいるかもしれません。しかし、研究はそうではないことを示しています。
たった4ヶ月の外国語学習でも、認知機能の改善が確認されたという研究結果があるのです。
完璧に話せるようになる必要はありません。学習を続けること自体が、脳に良い刺激を与えているのです。
英語学習がもたらす「脳以外」のメリット
認知症予防だけではありません。英語学習には、シニアの生活を豊かにする様々なメリットがあります。
1. 社会的なつながりが増える
孤独は認知症のリスク要因の一つです。
英語を学ぶことで、英会話サークルに参加したり、海外の人と交流したりする機会が生まれます。社会的なつながりを維持することも、認知症予防に効果的です。
2. 旅行がもっと楽しくなる
海外旅行で少しでも英語が話せると、現地の人とコミュニケーションが取れます。
ガイドブックにない情報を教えてもらったり、地元の人しか知らないお店に行けたり。旅の楽しさが何倍にも広がります。
3. 孫とのコミュニケーション
最近の若い世代は、英語教育が進んでいます。
お孫さんと一緒に英語を勉強したり、英語で話したりすることで、世代を超えた新しい会話が生まれるかもしれません。
4. 達成感と自信
「この歳で新しいことを始めた」という達成感は、何物にも代えがたいものです。
小さな進歩を積み重ねることで、自分自身への自信につながります。この精神的な充実も、脳の健康に良い影響を与えます。
シニア向け:英語学習の始め方
「やってみたいけど、何から始めればいいか分からない」
そんな方のために、60代・70代から英語を始めるためのステップをご紹介します。
Step 1:目標を決める(無理のない範囲で)
最初から「ペラペラになる」を目指す必要はありません。
小さな目標から始めましょう。
おすすめの目標例
- 簡単な挨拶ができるようになる
- 自己紹介を英語で言えるようになる
- 旅行で使うフレーズを10個覚える
- 好きな洋画を字幕なしで少し理解できる
Step 2:毎日少しずつ続ける
研究によると、週1回2時間よりも、毎日15分の方が効果的です。
脳に定期的な刺激を与えることが大切。「毎日やる」ことを習慣にしましょう。
朝のコーヒータイム、夜寝る前など、自分の生活に組み込みやすい時間を決めるのがコツです。
Step 3:声に出す
黙って読むだけでなく、声に出すことが大切です。
口を動かし、自分の声を聞くことで、脳への刺激が増えます。最初は恥ずかしいかもしれませんが、一人の時間に練習しましょう。
Step 4:完璧を目指さない
間違えることを恐れないでください。
間違えながら学ぶことが、脳に最も良い刺激を与えるのです。
「間違えたらどうしよう」ではなく、「間違えたら脳が活性化している」と考えましょう。
シニアにおすすめの英語学習法
1. 英会話アプリを使う
スマートフォンがあれば、自宅で気軽に英語学習ができます。
- 自分のペースで進められる
- 何度間違えても恥ずかしくない
- 時間や場所を選ばない
特にAIと会話できるアプリは、人相手だと緊張する方にもおすすめです。
2. NHKの語学講座
テレビやラジオの語学講座は、初心者向けの内容が充実しています。
- 毎日同じ時間に放送されるので習慣化しやすい
- プロの講師による分かりやすい解説
- テキストを使えばさらに理解が深まる
3. 英会話サークルや教室
地域の公民館やカルチャーセンターには、シニア向けの英会話教室があることも。
- 同世代の仲間ができる
- 先生に直接質問できる
- 外出のきっかけにもなる
社会的なつながりも増えるので、認知症予防の観点からも効果的です。
4. 洋画・海外ドラマを見る
好きな映画やドラマを英語で見るのも良い学習法です。
最初は日本語字幕付きで見て、慣れてきたら英語字幕に挑戦してみましょう。
楽しみながら学べるので、続けやすいのがメリットです。
よくある質問
Q:60歳を過ぎてから始めても効果はありますか?
A:あります。
研究では、高齢から語学学習を始めた人でも、認知機能の改善が確認されています。始めるのに遅すぎることはありません。
Q:英語が苦手だった人でも大丈夫ですか?
A:大丈夫です。
学生時代に英語が苦手だったことと、今から学ぶことは別です。大人になってから学ぶと、学生時代とは違う理解の仕方ができることも多いです。
Q:毎日どれくらい勉強すればいいですか?
A:15分〜30分で十分です。
大切なのは「毎日続ける」こと。無理のない範囲で、自分のペースで進めましょう。
Q:英語以外の言語でも効果はありますか?
A:あります。
認知症予防の効果は、英語に限らずどの言語でも確認されています。興味のある言語から始めてみてください。
まとめ:今日から英語学習を始めよう
英語学習が認知症予防に効果的であることは、世界中の研究で証明されています。
ポイントをおさらい:
- バイリンガルは認知症の発症が4〜5年遅れる
- 短期間の学習でも認知機能が改善する
- 完璧を目指す必要はない——続けることが大切
- 社会的なつながりも増え、生活の質が向上する
- 60歳からでも、70歳からでも遅くない
「もう年だから」と諦める必要はありません。
むしろ、今が始めるベストなタイミングです。
まずは簡単な挨拶から。毎日少しずつ、楽しみながら続けてみてください。
英語学習は、あなたの脳と人生を豊かにしてくれるはずです。
参考文献・研究
- UCLA Health - Bilingualism Delays the Onset of Alzheimer's Symptoms↗
- PMC - Delaying the onset of Alzheimer disease: Bilingualism as a form of cognitive reserve↗
- Neuroscience News - Speaking Multiple Languages May Slow Down Biological Aging↗
- Taylor & Francis - The effects of language learning on cognitive functioning in cognitively healthy older adults↗
- 東洋経済オンライン - 複数の言語を話すが脳の健康に良いという真実↗